現在、電子マネーの市場規模は約52兆円。これが2017年度には約66兆4000億円まで成長すると見られている。中でも好調なのはセブン&アイ・ホールディングスの「nanaco」とイオンの「WAON」。nanacoの月間利用件数は、2014年3月に1億件を超えた。
「必要に駆られて作るSuicaなどの鉄道系電子マネーと違い、コンビニやスーパー系電子マネーは利用に応じてポイントが貯まるという明確な魅力が利用者拡大につながっています」と「カード・ウェーブ」編集長の岩崎純さんは話す。
「企業側にとっては顧客の囲い込みが目的でしたが、年齢や性別による購入記録など、いわゆるビッグデータを取得できることも魅力の一つ。より効果的な販促に生かすことができます。スーパーでは、電子マネーの1回あたりの平均利用金額が現金払いよりも高くなっているという調査結果もあります」
さらに日本では過去に普及が進まなかった即時払いのデビットカードも、近年VISA、MasterCard、JCBなどクレジットカードブランドが既存のネットワークを活用して乗り出した。後払いであるクレジットカード、前払いの電子マネー、即時払いのデビットカードと3種類の支払い方法が揃い、利用者にとって幅広い選択肢が整いつつある。
(ライヴアート=図版作成)