海外部門は730点以上ほしい

目標スコアとして最も多かったのは「600点」でした(14社・25.9%)。「通常会話であれば要点を理解し、応答にも支障はない」程度の英会話力を会社は求めているようです。国内営業や技術部門の社員に対しても、レベルC(470点~725点)を目標とするケースが目立ちました。

一方、商社をはじめ、海外部門をもっている会社は730点以上のレベルを求めている傾向が顕著でした。「最低でも800点の英語力がないと、海外に出た時に仕事にならない」(日米を行き来している外資系企業の50代日本人執行役員)という声もあります。

TOEICスコアを昇格の条件にしている会社もありました。例えば、パナソニックは「550点以上を昇格候補者になるための要件の一つとしている」と回答しました。しかし、

「英語はできるが、肝心の折衝ができない人はけっこういる」(大手銀行首脳)
「英語ができれば、即グローバル人材ではない」(自動車メーカー経営者)

つまり、TOEICスコアが高ければ出世できるというわけではなさそうです。

とはいえ、いまや、ダイバーシティ(多様性)を推進する企業も多く、職場でも外国人と働く機会は増えていきます。昇格や評価もありますが、国内事業に従事する人でも英語力は必須になっていくでしょう。定年が近い50代はともかく、まずは、食品メーカーが「海外で何とか会話ができるレベル」と語る600点を目標にするといいかもしれません。

最後に、新栄不動産ビジネス・新田社長の次の言葉を紹介しておきます。
「海外部門で採用する場合、日本人でも外国人でもTOEICは900点以上を求めます。満点を取った社員も当社にはいますから」
 

<第3回の結論>
・TOEICは、まずは600点を目指そう。
・英語力を向上、あるいは維持するため、あくまでもツールとして定期的にTOEICを受験するのは有効。
・グローバル化の進展やダイバーシティー(多様性)推進から、企業内で英語力は求められる傾向に。社員の英語能力の指標にTOEICを使う企業は多い。

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