「何を」買ったかではなく「なぜ」買ったか

私なりの結論ですが、家計改善は「結果」です。本来の目的を達成できたときの「結果」であって、本来の目的はもっとストレートなものです。

では、「家計簿の役割」、つまりその「必要性」とは何でしょうか?

ズバリ「正しいお金の使い方」になっているかどうかのチェックです。家計簿は正しいお金の使い方を身に付けるためのツールなのです。

お金の使い方で人生は変わります。

家計簿をつけていても何も変わらないのは、お金の使い方に何の変化もないからです。同じことをただ繰り返して、それを記録しているだけにすぎないからです。

では、「正しいお金の使い方」とは、どのような使い方をいうのでしょうか。

一言でいえば、「生き金」かどうかです。

お金は使ったら、無くなります。でも、お金で交換したモノやサービスは残ります。手に入れたモノやサービスが、自分の人生にきちんと役に立つことで、失ったお金は生かされたといえます。

購入したものがあってもなくてもよかった、あるいは、必要なかった、となればそれはムダづかい、「死に金」です。お金をドブに捨てたようなものでしょう。それではお金が浮かばれません。

ということは、家計簿に「何を」「いくら」で買ったかだけを記入しても、効果は半減ということがお分かりいただけるでしょうか。集計しても、「あぁ、これだけ使ったんだな」で終わり。これでは家計は何も変わりません。

大切なのは、「何を」買ったかではなく、「なぜ」買ったのかです(動機)。そして、それらがきちんと自分の人生に生かされているかどうかまで把握するのが理想です。

それは「費目」だけを眺めていてもつかめません。例えば、同じ「外食」であっても、仕事で遅くなって料理する時間もなく外食をした場合と、何となく外食した場合とでは、意味合いが違います。外食に限らず、何でも簡単に手に入る現代社会では「何となく」の支出に「死に金」が潜みやすいものです。

本来の目的を達成するためには、「費目」と「金額」の羅列だけの家計簿は卒業しましょう。加えて、購入動機を書き込んでください。日記感覚でOKです。