継続が難しい適度な運動
島ではよく野良猫を見かけた。どれもスレンダーで器量よしである。友人も同感で、
「日本一きれいな猫たちのいる島だな」
朝な夕なサバニが港へつくたび、隙を狙って餌にありつくのであろうが、やはり絶海の孤島を生き抜くには過酷な現実もあるのだろう。平地が少なく急峻な坂道が多いので、いやでも運動をする。そんな環境が彼らをシェイプアップしているのかもしれない。与那国の「島の衆(しまんちゅう)」もみな引き締まった肉体をしていて、肥満は見かけなかった。
運動は、減量効率をあげる。ただし、急激かつ過激な運動は血中の尿酸値を急上昇させる、と医学的に証明されている。その実、私もはたと思いたって秩父の低山に登り、大汗かいて10kg痩せたはいいが、翌日筋肉痛、続いて痛風発作に見舞われたことがある。
痛風もちに適した運動は何か。試行錯誤を重ねているが、最初に試したのは、歩数計をぶら下げての散歩だ。なまじ歩数計なんぞを使ったのがいけなかった。3000歩、4000歩だと物足りない。どうしても1万歩を目指してしまい、それを達成するため2時間以上、距離にして約10km、歩くハメになる。続けているうち、足首なりアキレス腱に痛風が出る。すると、1週間くらいの休養をやむなくされ、そのうちウヤムヤになって、いつしか頓挫……。
泡盛は最高濃度を45度と定めてある。ところが「どなん」には60度のものがあって「花酒(はなさち)」と呼ばれている。いわゆる「端垂(はなた)れ」で、原料用アルコールにカテゴライズされる。勧められるまま友人と飲んだが、不思議と、
「甘い!」
水揚げされたばかりのカジキを肴に、調子に乗ってぐいぐい呑んで、さて寝ようか、と立とうとして足がもつれ、2人とも転倒、腰を抜かすお粗末。
「意外とキツイ。厳しいぞ、どなん」
「どなん」とは、与那国島の別称でもある。