次に決めるのは、収益性資産のうち何%をリスク性商品に割り振るか。つまり「リスク許容度」の設定です。これは年齢や収入、家族構成といった属性によっても変わりますが、収益性を重視する傾向の強い米国では、「100-年齢=リスク性商品(%)」というのが一般的な分散比率の目安です。つまり今の年齢が40歳の人であれば、資金の40%は元本割れのリスクがない安全な商品に割り振り、60%は株などのハイリスクな商品に賭けてもいいと判断できます。収益性資産が100万円なら、40万円は安全に運用しつつ、残り60万円をリスク性商品に割り振ってポートフォリオを組めるわけです。
金融商品にはローリスク・ローリターンからハイリスク・ハイリターンまで、様々な種類があります。「儲かれば儲かるほどいい」と単純に考えると、極端なハイリスク商品にばかり手を出したり、売り買いの判断が難しくなってギャンブルのようになりがちです。そこで「投資の目的」を決めることが大切になってきます。目的がわかれば「期間」と「金額」も明確になります。例えば、“マイカーの買い替え資金をつくりたい”という目的なら期間は3年前後で、金額はこれくらい、というふうにライフプランに合わせて目標が定まる。後はそれに合致する商品の組み合わせを考えればいいわけです。「インフレリスクに負けない運用」を目的とするなら、ここ数年で2%前後のパフォーマンスを狙う必要があります。
政権交代後の半年間で日経平均は約50%も上昇しマーケットは沸いていましたが、そのタイミングが新規に株に参入するチャンスかといえば、実はあまり関係がありません。連日報道されるようになったので情報が入りやすくなった点では有利とはいえ、むしろ市場が冷え込んで株価が下がっているときに仕込んでおいたほうが得なのは当然のこと。本来の企業価値よりも株価が下がっていた2012年までがバーゲンセール状態だったのです。株式市場で収益が出ている人の大半は、不景気にもめげず長期的に投資を続けてきた人たちでしょう。