意図的にノイズを持ち込んでみる
すぐに決めずに、宙ぶらりんな状態を守るためにおすすめしたいことがあります。
それは、意図的に“ノイズ”を持ち込むことです。
みんなで「なるほど」「それでいいよね」とその場の空気が一つの方向にまとまり始めたときに、あえて違和感を持つ。本当にそうか、と自分に投げ返す。うまく整理できていなくても、意識的に別の視点を投げ込んでみる。
これは、単なる反対ではありません。場にまだ言語化されていない“ノイズ”を持ち込む行為です。
たとえば会議の場で、「結局こういうことですよね」「この方向で進めましょう」と話がまとまりかけることがあります。
そのとき私は、「それってこういう意味だと解釈していいですか?」「この可能性はないということで進めていいんですよね?」と、あえて確認の問いを置くことがあります。
すると不思議なことに、そこで初めて相手の思考が真剣に動き出します。
「いや、少し解釈が違う。もう少し正確に言うと、こういうことなんだよね」
「その可能性も、もう少し確認したほうがいいかもしれない」
「よく考えると、まず明らかにすべきことは別にありそうだ」
それまで見えていなかった可能性が、少しずつ姿を現し始めるのです。
鍛えるべきは「これって本当かな?」
逆に言えば、その一言がなければ、誰も違和感に気づかないまま議論が進んでしまうこともあります。私はそうした場面を何度も見てきました。
だから鍛えるべきなのは、「これって本当かな?」と立ち止まる力です。
その積み重ねが、ものの見方や違和感の感度を育て、やがて「いい視点を持っている」と言われるようになります。
そうは言っても、それはベテランだからこそできることだと感じますよね。
ですが、むしろ若手だからこそ、「素朴な疑問」として場に投げ込めることがあります。
その一言で、議論の前提が揺れる。参加者の思考が促され、場の温度が変わる。
少なくとも、流れを変えることができます。
自分の中のざらつきや引っかかりを言葉にし、それを相手にも考えてもらうために、疑問として投げ返してみる。
多くの場合、仕事はそうした小さなノイズから動き始めます。
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