高橋さんが初めて1万再生を超えたのは、「部屋が汚い系」の動画でした。
大学時代から住み続けている部屋は、今では「ゴミ屋敷」になっています。大学時代は友人のたまり場となり、友人たちがそれなりに片付けをしてくれていましたが、中退後、次第にゴミが溜まっていきました。その部屋を公開した動画は、人気コンテンツとなったのです。
視聴者から届いた意外な反応
高橋さんは、旅先で単発バイトアプリ「タイミー」を使って働いた様子を紹介した動画や、足の踏み場もない自室を約30時間かけて片づける様子も動画にしています。
こうした動画には、視聴者から次のようなコメントが寄せられました。
【旅先バイト動画についたコメント】
「旅行の資金を現地で稼げるのいいね」
「旅行で自分の攻略本に一項目記載が増えるのめちゃくちゃ良い。生活の中の自分についての発見を聞くのが好きだから、ナポさんの動画好きなのかも知れない……」
「今度退職して旅行する予定だから、ナポさん見習ってタイミーもしてみようかな」
【ゴミ屋敷掃除動画についたコメント】
「これ見てたら自分も部屋片付けようと思えたありがとう」
「いつかの自分の部屋を客観視できて、改めて掃除を定期的にしようと思えました」
筆者がコメント欄を読んで目についたのは、動画への賞賛だけでなく、「自分もやってみよう」という反応でした。旅先バイトを試してみる。自分の部屋を片づける。動画を見た人が、それぞれの暮らしへ目を向けています。
高橋さんは、誰かの役に立とうとして配信しているわけではありません。ゴミ屋敷も、大学中退も、家族の話も、ありのままに語ってきました。顔は隠していても、動画で見せているのは「素の自分」です。その飾らない姿を視聴者が面白がり、受け止めてくれることが、何よりうれしいといいます。
「早稲田」は今も効いている
早稲田大学を中退した高橋さんは、受験勉強で身につけたものや「早稲田」という名前が、現在の活動にも生きていると振り返ります。
ひとつは、独学の力です。中学・高校では塾に通わず、地方で受験の「最適解」を教えてくれる人もいないなか、勉強の仕方そのものから自分で考えてきました。そこで培った現状分析の力が、配信の世界でも生きているといいます。
「ヒカキンの動画を、知名度ゼロの人がそのまま出しても絶対に伸びないんですよ。自分と周りを見て、これってどうなってるのかな、って考えるのには育ちやすい環境だったかなと」
もうひとつは、「早稲田」という名前が与える信用です。顔を隠したVTuberとして活動する現在も、その名前は生きているといいます。
「わけのわからんやつが、わけのわからないことを言ってるけど、どうもちょっとは賢いらしいぞ、みたいな。そういう意味では、大学を卒業して社会に出る普通の生き方より、むしろ大学名を使っている、まであると思います。自分の場合は、一生活動に関係してくる可能性があります」
