たどり着いた仕事は「個人VTuber」

中退後は、塾講師やカラオケ店、接客業などのアルバイトを掛け持ちするフリーター生活を送ります。目的が明確にあったわけではなく、「なんかで食えねえかな」と模索する日々。大学在学中から文章を書いたり、アフィリエイトブログやゲーム実況をしたりしていたのも、模索の一環でした。

では、高橋さんは何によって生計を立てるようになったのでしょうか。

高橋さんがたどり着いたのは、個人VTuberでした。VTuberは「バーチャルYouTuber」の略。顔の代わりに、自分の分身となるキャラクターを画面に映して配信する動画配信者で、事務所に所属せず一人で活動する人は「個人VTuber」と呼ばれます。

高橋さんの活動名は、ナポ・レボリューション。「生まれながらの革命家」を名乗って動画配信をしています。

チャンネル登録者数は、2026年9月30日時点で7.7万人で、動画本数は1124本にのぼる
チャンネル登録者数は、2026年9月30日時点で7.7万人で、動画本数は1124本にのぼる(ナポ・レボリューションさんのYouTubeチャンネルページより)

活動2〜3年目、登録者が1万人に満たない頃に、VTuberとしての収入でなんとか生活できるようになりました。当初の月収は、12万円程度でした。2年ほど前に約3万人だった登録者は、現在は7.6万人。一発の大バズりで急上昇したのではなく、増減を繰り返しながら伸びていきました。

そこから収入は徐々に安定していきました。現在の月収について尋ねると、高橋さんは言葉を選びながらこう答えました。

「最近は人並み程度ですね。編集とかその他の時間まで含めて時給換算すると、時給的にはちょっと割のいいバイトぐらいでしかありません」

投げ銭や単発の案件仕事もゼロではないものの、現在の収入の9割は動画本体に付く広告収益だといいます。

では、高橋さんは、なぜ会社員として働く道を選ばなかったのでしょうか。

「まず時間を守るのが苦手なんですよね。あと、好きではない人間と長期間関わり続けると、だいたいどこかで揉めるということがあります」

最初に1万再生を超えた「汚部屋動画」

高橋さんは、汚部屋や日々の暮らしぶりを動画にするうちに、チャンネルの軸を見つけていきました。

高橋さんは、顔出しの配信者は見た目やキャラクターに応じて、扱うジャンルが決まりやすいと考えています。一方、自身はVTuberです。画面に映るキャラクターに一貫性があれば、ジャンルを問わずさまざまな題材を扱えることに気づきました。

「VTuberであれば、見た目や年齢を大きく変えられるので、むしろそれらの要素よりも、どんな人間なのか、なんの話をしてくれるのか、といった自分自身のキャラクターが注目されるようになります。なので、見た目や年齢にとらわれずに、さまざまなジャンルや企画を扱えるんです。自分みたいに、美味しんぼのパロディをやってもいいし、飲み歩きをしてもいいし、ゴミ屋敷をさらしてもいい。なぜなら、『俺の話をするチャンネル』だから。それでずっと一貫してるんです」

この「俺の話をするチャンネル」という考え方が、活動の軸になりました。