過去に経験したやり方に合わない
さて、Cさんの脳は、英語をどのように学習していくのか、予測できていませんでした。予測ができない状況に、Cさんの内受容感覚は「危険」サインを出し、Cさんの体はすくんでいたわけです。
脳が予測する臓器だという話を聞いたCさんは、思い当たるところがあったようです。
「今使っている教材は、英語を学習するためのノウハウが詰まっていると思うんですけど、なんかやりづらいんですよ。自分のやり方としてなじまないから脳が予測できないんですかね」
習い事の問題でよくあるのが、テキストが読みにくいことや資料の内容が頭に入ってこないことです。これは、テキストや資料が悪いのではなく、受講者が過去に経験したやり方に合わないことが問題です。それは仕方がないですよね。他人が作った教材ですから。作った人と使う人とは過去の経験が違います。当然、予測することも違います。
そのことに気がついたCさんは、次に会ったときに自ら続ける方法を編み出していました。
Cさんは、思考をまとめるためにマインドマップをよく使っていました。マインドマップとは、思いついたキーワードに関連するワードを挙げていき、思考を地図のように描き起こしていくフレームワークです。
もともとやっている継続法をトレースする
このなじみがある方法を使って英語のテキストを書き換えてみると、急に楽しくなって学習できるようになったそうです。そのマインドマップを見せてくれました。
「マインドマップは、描いているうちに考えが整理できます。同じ要領で、学ぶ英語の文法を関連付けて描いてみたら整理できたので、自分にはこのやり方が合っていると思いました」
このように、現在続けられている作業のやり方を別の作業にトレース(写し取る)すれば、脳は予測しやすくなります。つまり、現在うまくいっている作業のやり方をトレースして、別の作業を二次創作してしまえばよいわけです。
自分なりのオリジナルの継続法を生み出すのは難しくても、もともとやっている継続法をトレースするなら、できそうな気がしませんか?
私はこの方法を、作業トレース法と呼んでいます。
人は常になんらかの作業をしています。どんなに続けられない人でも、何かの作業は続けています。その作業を見つけてトレースしていけばよいのです。
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