続けられるかどうかは「気分次第」

やろうと決めた作業を「続けられるとき」と「続けられないとき」は、どこに違いがあるのでしょうか。

Cさんの「その気にならないんです」というセリフから考えると、両者の違いは、気分です。

気分がよければ続けられて、気分が悪ければ続かない。

振り返ってみると、続けられているときはやっていて楽しいし、うまくいかなくても工夫して乗り越えて気分がスカッとすることはある。確かに続けることに気分は関係します。

ただ、続けられるかどうかは、気分次第。

こういわれてしまうと身も蓋もない感じがするので、もう少し深く考えてみましょう。

では気分は、どうやってつくられているのでしょうか。

あらためて考えてみるとよく知らないという人が多いと思います。

でも、この問いに答えることはとても重要です。

なぜなら、「気分」は、偶然もたらされるものではなく、ちゃんと生まれるしくみがあり、そしてこのしくみが、続けることのカギを握っているからです。

夜勉強しようとして疲れている学生
写真=iStock.com/AntonioGuillem
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続けたい気分は内臓からくる

Cさんは、テキストを見て英語の勉強をしようとすると、こんな感覚になるそうです。

「立ち上がって机に行こうとすると、なんか体が机の方に向かなくて、なんとなく引き返してしまうんです」

この「なんか体が机の方に向かなくて」という感覚、身に覚えがありませんか? テキストやトレーニングウェア、家計簿など、作業の道具を目にしたとき、体がすくんでしまうような感じです。

気分は、体に表れます。

気分がいいときは、体はリラックスして力が抜け、ラクに呼吸ができ、のびのびと自由に動くことができます。自分の気分を知りたければ、自分の体に注意を向ければわかります。体のどこに注意を向けるのかというと、体の「内側」です。

頭の中、目の奥、首や肩の深いところ、肺のふくらみ、おなかの調子。これらが軽ければ気分がいいし、重ければ気分が悪いのだとわかります。

つまり、気分は体の内側でつくられています。

内臓の感覚は、内受容感覚と呼びます。

聞きなじみがない言葉だと思います。内臓を見たり触ったりはできませんが、そこから発せられる信号をキャッチ(受容)した感覚です。

例えば、緊張したときにおなかが痛くなる。この痛みが、内臓からの信号であり、内受容感覚です。私たちは、「緊張しておなかが痛くなってきた」と表現しますが、「おなかからの信号を受け取って緊張している気分になった」というのが正しい表現です。

おなかの感覚だけではありません。心臓がドキドキしたり、呼吸が速まったり、血管が収縮して手足が冷たくなったり、唾液や汗が粘っこくなったりします。これらもすべて内受容感覚です。