これから日本は急速な「生産年齢人口の減少」「後期高齢者の増加」の時代を迎える。そうしたなかで一体どういったことが起きるのか? 社会保障給付費の負担増にともなう現役世代の苦しい生活の姿が垣間見えてくる。

“確かな将来予測の指標”として中長期のシミュレーションに利用されているのが「人口予測」。人は30年後まで生きていれば、確実に30歳年をとる。人はいつ死ぬかわからないが、調査する対象者の数を増やしていけば、過去の実績をもとに各年齢での死亡率が高い精度で予測できるからだ。

わが国では、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が5年に1度の国勢調査の結果などをベースに「日本の将来推計人口」を発表している。「以前は出生率を甘く見積もりがちとの指摘もありましたが、最近は固めの数字を使い、信頼できるデータとなっています」(みずほ総合研究所上席主任研究員・堀江奈保子さん)と評価は高い。