羽生善治●1970年、埼玉県生まれ。82年小学校将棋名人戦で優勝し、85年史上3人目の中学生棋士となる。86年新人賞受賞。94年史上初の6冠王、96年7冠独占。2007年、史上最年少、最速、最高勝率で1000勝を記録。
羽生善治に見る「過程主義の徹底が生む高いEQ力」
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羽生善治に見る「過程主義の徹底が生む高いEQ力」

超一流のプロたちがしのぎを削る勝負の世界の厳しさの1つは、1位と2位以下とでは得られるものがまったく違う点である。ミリの差でも一番なら勝者だし、届かなければ敗者。栄誉も収入も、まったく変わってしまう。

もっと厳しいのは、プロである以上、そういう戦いを果てしなく続けねばならないことだ。フロックの勝利なら誰にでもある。しかし、勝ち続けられる人はそうそうはいない。ましてそれを20年以上も続けるとなれば、ほとんど例外中の例外となってくる。

羽生善治が将棋界を超えて注目されるのは、彼がその「例外中の例外」の人生を生きているからである。天才たちがひしめきあう中、依然としてトップを走り続けていることに、人々は、何か桁外れのものを感じているのである。

(図版=奈良雅弘 図版デザイン=ライヴ・アート)