子どもの世界は同調圧力が強い

大人が見過ごしがちなこととして、学校というシステムの中で生きる子どもが、大人以上の同調圧力に晒されているという事実がある。ゆえに、他の子と「違う」ことが時には非常に苦しい。

しかも短期滞在者でない限り、子どもはその国でこれからの一生を過ごすことになり、その国に同化していかなければならない。親は、子どもは睡眠時間を除けば家庭より学校で長い時間を過ごしていること、そこでの孤立がどれほどつらいかを意識しておく必要がある。

他方、親には祖国の文化を子どもに継承したい気持ちがある。大人になってから他国に移り住んだ親にも文化の相違からくるフラストレーションがある。自身の文化への愛着とプライドもある。加えて、子の祖父母が祖国にいれば、「子がばあば、じいじとコミュニケーションを取れるよう、祖国の文化を伝えたい」との思いもある。

しかし、親はその気持ちを抑えて、子どもに学校での状況と気持ちを聞き、本人がランチタイムを楽しめるお弁当を持たせるべきだろう。子どもが「それでも日本式がいい」と言えば作り続ければいいし、「サンドイッチにして」と言えばサンドイッチに切り替えればいい。

つまり、家庭では食も含めて祖国の文化を継承させ、学校では現地のカルチャーを優先させることだといえる。

大人が文化交流イベントを行うべき

一方でこうした移民のお弁当事情を描いた絵本はアメリカで何冊も出されており、学校側も「世界にはいろんなお弁当がある」ことを子どもたちに教える時間を作ればいいのではないかと私は思う。

また、お弁当に特化したものではないが、アメリカでは多くの学校で「国際文化デー」のようなイベントがあり、私の息子の学校でも外国出身の親や先生が、祖国のおやつを振る舞うブースを出す日があった。きれいなサリーをまとった科学の先生がインドの甘いデザート、イスラエル出身のお母さんがマッツォと呼ばれるクラッカーのようなパンにヌテラを塗ったものを出してくれたことを覚えている。私も毎年参加し、誰もが抵抗なく食べられるものを考え、エダマメやハッピーターンが大好評だった良い思い出がある。

近年、日本も急激に移民が増えており、学校の生徒たちが多様化している。しかし、欧米でアジアが一括りにされるように、多くの日本人にとっても日本以外のアジア諸国の文化の違い、欧米諸国の違い、アフリカ諸国の違い、中東諸国の違い……が浸透しているとはいえない。

学校や地域における子どもの多様化は、子どもたちがそれを直接的に学べる場となり得る。子どもたちの未来のためにも、大人が文化交流イベントを企画し、子どもも大人も楽しめる場を作ればいいのではないかと私は考える。

【関連記事】
「頭のいい子が育つ家庭」の食卓には出てこない…朝ごはんのパンに塗りがちな「脳に悪影響でしかない食品」とは
食前に「たった一杯」飲むだけで肝臓の脂肪を落とせる…専門医の中では常識「食物繊維、発酵食品」あと一つは?
腸の壁に穴が空き、全身がボロボロに…内科医が「毎日食べてはダメ」と警告する"みんな大好きな朝食の定番"【2026年4月BEST】
手作り弁当550円、おにぎりは今でも110円…セブン、ローソンがマネできない吉祥寺「個人コンビニ」の地味な戦略
愛子さまが食べた"開けてビックリ"の駅弁とは…老舗駅弁屋が効率化の時代に「手作り」にこだわり続けるワケ