肥満気味の人が4カ月飲んだ結果
日本人成人でBMI25〜30kg/m2の比較的肥満気味の人を対象とした研究で、12週間、酢を15ml、30ml飲んでもらう群と飲まない群の3群の比較を行いました(BiosciBiotechnol Biochem. 2009 19661687)。食事は通常通りですが、酢を余分に摂らないように指導されます。
4カ月後の脂肪の量を測定すると、体重もウエストサイズも酢を摂取した群が減少していました。その程度は酢の摂取量が多いほど多く、プラセボ群(飲まない群)では変化しませんでした。実際、内臓脂肪と皮下脂肪量を測定してみると酢を摂取した群は減少していました。酢を摂取しないと全く変化していないことから、酢には脂肪を減らす効果が有ると考えられます。脂肪が減ると言うことはインスリン量が減少していることを示します。
血糖降下作用に関しては酢が食後の血糖値、インスリン、脂質レベル、および前腕筋の血流と筋肉の血糖取り込みに与える影響を観察した研究を紹介します。2015年に糖尿病患者を対象に食事5分前に30mlの酢を水に薄めて服用する群と水のみの群にわけて比較が行われました。食事内容はパン、チーズ、ターキーハム、オレンジジュース、バター、そしてシリアルバー(557kcal、炭水化物75g、たんぱく質26g、脂質17g)で比較的炭水化物の多めの食事です。
食後の血糖値を下げる効果がある
糖尿病患者ですので血糖値のピークは高いですが、酢を服用しない場合のピーク血糖値は、食後60分で258mg/dLに対して、酢を服用した群では230mg/dLで大きくピーク血糖値が下がっています。同時に測定したインスリン値のピークは、酢を服用していないグループが約120μU/ml、酢を服用したグループが約88μU/mlであり、その差は約32μU/mlでした。血糖値もインスリン値も曲線下面積は明らかに酢を服用した方が小さくなりました。
食後の中性脂肪値にも大きな差を認めました。酢を服用すると食直後の中性脂肪値の上昇が強く抑えられます。食後に血漿中の中性脂肪が上昇するのは、食事から摂取した脂質が消化・吸収され、運ばれている正常な生理的反応です。300分後には両グループの値がほぼ同じになりますが、グラフの曲線下面積(AUC)を考えると、酢を服用したグループの方が、測定期間全体で血中の中性脂肪への総曝露量が少ないことになります。酢を服用していない群の中性脂肪値が上昇することは血糖値の上昇と無関係ではありません。

