「寝る90分前の入浴」が最も適している
とはいえ、「どうしても汗を流したい」という場合には、シャワーでサッと流すか、38℃程度のぬるめのお湯に10分程度浸かるようにしてください。私が行った実験では、38℃程度のぬる湯では、運動直後に入浴しても筋肉の疲労回復が遅くなることは見られなかったためです。
いずれにしても、これまで紹介してきた健康効果を期待するのであれば、太陽が沈んだ後の時間帯がもっとも適しています。
また、「寝る直前にお風呂に入ると、よく眠れる」。そう思われていたら、それは間違いです。夜の入浴のタイミングを間違えると、かえって眠りを妨げてしまうことがあります。
多くの研究を調べて、たどり着いた結論は、入浴は「就寝の90分前」に済ませるのがもっとも理にかなっているということ。その理由は、深部体温のリズムにあります。
人間の体は、深部体温がゆるやかに下がっていくときに、自然な眠気が訪れるようにできています。入浴によって一度体温を上げ、その後、普段より、少し急に下がっていく過程で、脳と体が「眠る準備が整った」と判断するのです。
「41℃以上」「長湯」は睡眠を阻害する
この「体温の下降カーブ」のとき就寝するのが、入眠後90分で訪れる「質のよい眠りのゴールデンタイム」を導く鍵になります。
眠りについて、最初の90分間に、心身の回復を促す成長ホルモンが多く分泌されます。この90分間に深く眠れれば、その夜はしっかりと疲労回復ができて、逆に眠りが浅いと成長ホルモンの分泌が滞り、翌朝に疲れが残ってしまうのです。ぐっすり眠るためには、ぜひ以下のポイントも気にかけてください。
○41℃以上の熱いお湯に入らない
熱いお湯は交感神経が刺激されて覚醒状態になり、眠りが妨げられてしまいます。
○長湯をしない
10分以上お湯に浸かると、のぼせたり、交感神経が刺激されたりすることがあります。
こうしてみると、40℃で10分間は、やはり究極の入浴法です。
ただ、寝るまで90分も時間がない! という場合は、シャワーか40℃の湯船に5分ほどの短い入浴にします。あえて体温をあまり上げすぎないようにして、就寝を邪魔しないようにするのです。ですが、できればきちんとお風呂→90分後の就寝がおすすめです。
入浴のタイミングとしては、食後すぐも避けたいところです。食後は消化のために胃に血液が集まりますが、そのときに入浴してしまうと、本来消化に必要な血液が皮膚に行ってしまうからです。
夕食の時間が遅い方は簡単ではないかもしれませんが、食後1時間ほど休んでから入浴→90分たったら就寝、というのがもっとも体にやさしいリズムです。


