体を洗うのは「お湯に浸かった後」

答えは、「お湯に浸かった後に体を洗う」です。意外でしょうか?

【理由1 ゴシゴシ洗わずに汚れが落ちる】

まず湯船で体を温めて皮膚を柔らかくすることで、毛穴が開き、皮脂や汚れが自然に浮き上がります。その状態で体を洗えば、ゴシゴシこすらなくても汚れが落ちやすくなるので、肌への負担がグッと減ります。

【理由2 乾燥やかゆみ、肌荒れを予防する】

肌を強くこすると、必要な角質、皮脂や常在菌まで洗い流してしまい、乾燥やかゆみ、肌荒れの原因になることがあります。特に敏感肌の方は、先にお湯に浸かって、皮脂や汚れを浮き出させてから体を洗う方法がよいでしょう。

「垢」と言われるものは、もともと汚れではなく、皮膚の一部である古くなった「角質」です。角質は皮膚の内側を守ってくれる自分の皮膚の大事な一部分なので、ゴシゴシこすって無理にはがしてはいけません。

泡タイプのボディソープか、泡立てた石けんで、手でやさしくなでるようにして体を洗います。冬に肌が乾燥してかゆくなる人はゴシゴシこするのを止めるだけでかゆみが止まることも多いです。

ボトルから液体石鹸をスポンジに注ぐ女性の手
写真=iStock.com/Erstudiostok
※写真はイメージです
【注意点1 かけ湯をしっかり行う】

先に湯船に浸かるときは、手足から順にお湯をかけて、体が湯温に慣れるようにします。これで体温や血圧の急激な上昇を抑えることができます。

【注意点2 銭湯や温泉では体を洗ってから入浴】

公共浴場では、先に体を洗ってから入浴するのがマナーです。その場合も、強くこすらず、石けんを泡立ててやさしく汚れを洗い流しましょう。

入浴は夜がベスト、朝と昼は注意が必要

「入浴するなら、朝、昼、晩のうち、いつが一番効果的ですか?」

これは、私が講演会などでよく受ける質問の1つです。結論から言うと、もっともおすすめの入浴タイミングは「夜」。温かいお風呂で血流をよくして1日の疲れを癒やすという点、副交感神経を優位にしてリラックスするという点から、夜です。夕食後、1時間程度は食後のひと休みとします。その後に入浴というのが理想の流れです。

一方で、朝の入浴には注意が必要です。朝は交感神経が急激に優位になる時間帯で、血圧の変動が大きくなります。それは、心筋梗塞や脳卒中といった、血管系の疾患が起きやすい時間帯という意味でもあります。そのため、高齢の方や高血圧症と診断されているような方は、夜に入浴するほうが安心です。

では、昼間の入浴はどうでしょうか。昼の時間帯は交感神経にスイッチが入っているため、体は“活動モード”になっています。そのため、入浴によるリラックス効果が得にくくなることがあります。

運動をして汗をかいたら、昼間でも入浴したくなるでしょう。このときにも注意が必要です。運動直後の筋肉は、筋肉内にたまった疲労物質の排出を促すために、多くの血流を必要としています。ところが、入浴をしてしまうと皮膚周辺の血流が優先されてしまい、筋肉への血流が不足することがあります。そのせいで、疲労物質の排出が滞り、疲労回復が遅れてしまうことがあるのです。このことから、運動後は30分~1時間ほど休憩を取ってから入浴するとよいでしょう。