「水田活用の直接支払交付金」とは何か

ちなみに今現在の米政策で行われている補助金制度の「水田活用の直接支払交付金」(通称:水活)は、減反政策とは仕組みも目的も異なります。

水活は、主食用米を作らないことを強制する制度ではありません。農家が、飼料用米、麦、大豆、WCS(稲発酵粗飼料)、加工用米などの特定作物を作り、販売実績や面積などの要件を満たした場合に交付金を受け取ることができるインセンティブ型の制度です。つまり農家の自主選択に基づき、多様な作物の生産を促すことで水田資源を有効活用し、飼料・麦・大豆などの不足作物の生産拡大を狙った政策です。

かつての減反は、先述の通り、国が強制的に米の作付けを制限する仕組みで、過剰生産を抑えて価格を安定させることが目的でした。一方、今の水活は強制力のないインセンティブ型の仕組みで、水田活用と不足品目の生産拡大が目的です。にもかかわらず、「主食用米以外を作ると補助金が出る」という側面だけが注目され、「昔の減反政策と同様に米の作付けを強制的に削減している」という誤解が広まっています。