日本の食卓を支えてきた「物価の優等生」

日本養鶏協会によると、1989年の年平均で東京地区のMサイズ卵、1キロ当たりの価格は191円だった。1990年以降、変動を伴いつつ、卵の価格はおおむね190円を挟んで横ばい圏で推移した。2004年の年初には90円を下回る水準にまで卵の価格は下落した。他の畜産品と比較しても卵の価格は低く、家計にとって欠かせない食品の代表格だった。そのため卵は物価の優等生と呼ばれた。

ところが、2021年頃から、状況は大きく変化した。卵の価格は上昇傾向を鮮明にしており、物価の優等生と呼ぶことは難しいほどだ。その兆候が出始めたのは、2021年の春先だった。興味深いことに、そのタイミングは、わが国の消費者物価が上昇し始めた時期と符合する。それ以降、卵の価格は上昇傾向をたどった。

2022年11月、卵の価格は262円に上昇した。さらに、2023年4~5月の価格は350円に上昇した。その状況はエッグショックと呼ばれた。