よくある子供会の廃品回収だと思っていたら…

我が家の場合は、廃品回収がそうでした。

母は昔ながらの地域の子供会がやっている廃品回収だと思っていましたが、実際に家に乗り付けてきたのは黒い高級車。

これもスマートスピーカーで話をしている中で「今日は廃品回収が来たの」という話で、断片的な話からわかったのは「2階まで上がって行った」「亡くなった兄が集めていた切手を見ていた」「黒の高級車に、きちんとしたスーツ姿でとても礼儀正しかった」ことくらい。

母の口調からは、まったく不審に思っていない様子でした。

母の記憶がすべて正しいとも限らないので、玄関に取り付けた人を感知すると録画するスマート防犯カメラの映像を確認してみることに。

誰が訪問したのか、母が覚えていなくても、録画映像で私たちが確認できるのは本当に助かります。何を回収して行ったかまでは、さすがにわかりませんでしたが、なるほど、きちんとしたスーツ姿の男性が訪問していました。

しかし後日、帰省した時に見つけてしまったのです。「数千円の領収書」を。

母のアクセサリー数点と、亡くなった父から最初で最後に贈られた指輪もなくなっていました。

腕時計を鑑定する人
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

このスーツの男は、古着を回収に来たと言って、本当に言葉巧みに世間話をしながら、家に上がり、家の中を物色したようです。そして、古着などを回収しつつ、宝石類を安く買い取って行く高齢者狙いの詐欺だったのです。

この腹立たしく、切ない出来事があって以来、私たちはスマートスピーカーで母と話す時、怪しい廃品回収が来ている気配がないか気をつけるようになりました。

これらはスマートスピーカーや防犯カメラ、スマートホーム、その他の遠隔で使えるツールがあって良かった! と思った、ほんの一例です。

顧客に説明をするビジネスマン
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

見守りの本質は「安心を分かち合うこと」

「カメラをつけるなんて、監視みたいで可哀想」

そんな声もあるかもしれません。けれど私たちの目的は“見張ること”ではなく、“寄り添うこと”でした。

母自身もスマートスピーカーがあると「安心」と感じてくれるようになり、「これなら自分で使える」と自信につながりました。

高齢者にとって「子どもに頼ってばかりではなく、自分でできる」という感覚はとても大切です。スマートスピーカーはその一助になったのです。

見守りというと、どうしても「監視」のイメージが強くなりがちです。

けれど、スマートスピーカーを導入してみて気づいたのは、これは“安心を分かち合うツール”だということ。

母にとっては「声をかければ返事をしてくれる相手」がいる安心。

私たちにとっては「離れていても様子が見える」安心。

どちらか一方だけでなく、双方にとって安心が増える。

それこそが、遠隔見守りの本当の価値だと感じています。