同じことを言っても自分だけ怒られる…
社会生活を送っていると、ときに発言内容よりも“誰が発言しているか”が重要視されることがあります。同じことを言っているのに、受け取る側の印象が変化するのです。そういう反応をされると、傷つきますよね。
「会議で、○○さんと同じ意見を言ったのに、自分だけ反論された」
「○○さんだって同じ態度だったのに、自分だけが『失礼だ』と言われた」
「あの人も似たようなことを言っているのに、笑って受け止められている」
こういうとき、心の中で「なんで私だけ……」とつぶやいてしまいます。
まるで、特定の人にだけ厳しい先生や不機嫌な上司、気まぐれな親に振りまわされているようで、理不尽さに傷つくのです。
出来事を客観的に見つめる
でも、少しだけ視点を変えてみましょう。
もしかすると、相手は“言った内容”ではなく、“言い方”や“関係性の文脈”を見ているのかもしれません。
あるいは、相手が、そのときすでにイライラしていたり、あなたの声のトーンが無意識に感情的だったりしていなかったか。そんな微細な要素が複雑に絡み合っているのが関係性です。
人間関係の相互作用です。相手の状態や、自分の状態、お互いの関係性、さまざまな要素が絡み合っています。
だからこそ、落ち込んだりイライラしたりせずに、冷静な状態でインナー心理カウンセラーと一緒に振り返る力が必要です。
「相手が怒ったのは、私の”言い方”がきつかったからかもしれない」
「今、相手は忙しくて余裕がなかったのかもしれない」
「そもそも私は、この相手と”丁寧に向き合いたい”と思っていたのか?」
「どの言葉に、私は傷ついたのだろう。自分はそれにどう感じたのだろう」
こうした問いかけが、自分を責めることなく、相手を非難することもなく、出来事を“客観的に見つめる視点”につながっていきます。
あなたの心を守る仕切りを「見える化」する
①あなたが「傷つきやすくなる場面」を思い出そう
以下のような場面に、心がざわついた経験はありませんか?
・いい人でいようと無理してしまった
・「あの人のこと」がなぜか怖い
・自分は叱られやすいと思っている
・同じことを言っても、自分だけ怒られた
思いつくまま、書いてみてください。
②「自分の境界線」を感じてみよう
そのとき、自分の心の仕切りがどこにあったかをイメージして描いてみましょう。
・どこまでが「自分の責任」?
・どこからが「相手の問題」?
・どこで「譲りすぎて」いたか?
・どこで「言いすぎて」いたか?

