「エンペラーの国」の格式ある自動車とは
センチュリーは相当緻密にストーリーづくりを行わないとマイバッハの二の舞になる可能性がある。つまり単なるトヨタの、レクサスのさらに上をいくブランド、という理解に留まってしまうパターンである。
もちろん皇室をプロモーションに使うことはできないが、御料車としての長い実績は格式の担保に最も効果的であると思う。
なにしろ君主制を維持している国家はほとんどないうえに、日本の皇室と英国の王室は「世界2代君主」といわれているくらい格式の高いものだ。
そして天皇の英訳である「Emperor」はイギリス国王の「King」より格上なのである。現在Emperorを名乗れるのは日本の天皇しか存在しないのだ。この君主に愛用されているブランドほど格式の高いものはないはずである。センチュリーにはそのポテンシャルがあるのである。
豊田会長の手腕に期待
しかしセンチュリーを成功させるのは容易なことではない。
ブランドビルディングだけでなくブランドの「格」を担保するためにはエクスクルーシブな販売店の整備は最低限の必要条件で、そのためには莫大な投資が必要だろう。
また、センチュリーという名前はGMがビュイックブランドで戦前から使用しており、国によっては商標権の整理も必要だ(そのため現在中国では「世紀」ではなく「世極」という名にしている)。
この貴重なブランドをグローバルブランドとして立ち上げる以上、じっくり腰を据えて成功に導いてもらいたい。豊田章男会長の手腕に期待したいところだ。

