マンガの名作20作品一覧

■きりひと讃歌 全3巻 手塚治虫著、小学館文庫
人の顔が犬の顔へと化す奇病「モンモウ病」にかかった医局員。奇病への差別や権力闘争を通じて、人間の尊厳とは何かを問う。映画『エレファントマン』を10年先取り。連載開始1970年。

■漂流教室 全6巻 楳図かずお著、小学館文庫
ある小学校が突然、荒廃した未来世界に校舎もろともワープ。極限状態での人間のエゴ・醜さを抉り出す作者の心理描写が秀逸。連載開始1972年。

■餓鬼 全2巻 ちばてつや著、ホーム社発行、集英社発売
貧しい山村に住む少年がダム工事で牧場と引き換えに得た大金をめぐり、村人が醜く争う。放浪し、犯罪を重ねた少年が再び村に戻ると、そこには凄惨な地獄絵図が。連載開始1970年。

■佐武と市捕物控 全10巻 石ノ森章太郎著、小学館文庫
下っ引きの佐武と盲目の居合斬りの達人・市が、江戸の治安を守るために殺人事件解決に挑む。ミステリー性を帯びた時代劇ものの傑作。石ノ森の緻密かつシャープなカットやコマ割りに注目。連載開始1966年。

■11人いる! 全1巻 萩尾望都著、小学館文庫
SF少女マンガの名作。「宇宙船内で、10人の受験生が53日間生き延びる」という宇宙大学入試の最終選考。しかし船内には11人。閉じた空間で疑心暗鬼が……。連載開始1975年。

■0(ゼロ)マン 全2巻 手塚治虫著、秋田文庫
力も知能も人を超えた地底人が地球寒冷化を企て、人類を滅ぼそうとする。連載開始1959年。

■火の鳥 全13巻 手塚治虫著、角川文庫
その血を飲めば永遠の命が得られる不死鳥を軸に、時空を超えた複数の物語が展開する大作。連載開始1954年。

■シュマリ 上・下巻 手塚治虫著、KADOKAWA絶品コミック
明治期の北海道に展開するアクション満載の大河ドラマ。連載開始1974年。

■男おいどん 全6巻 松本零士著、講談社漫画文庫
明日のために今日も寝る、極貧の冴えない若者の青春譚。押し入れのパンツの山にはキノコが。連載開始1971年。

■日出処の天子 全7巻 山岸凉子、白泉社文庫
若き天才、聖徳太子の半生を描く。超能力者&同性愛者という設定と、虚無的なラストが衝撃的。連載開始1980年。

■吉祥天女 全2巻 吉田秋生著、小学館文庫
天女の末裔と伝えられる女子高生の妖しい魅力と、周囲の男たちに次々と起こる凄惨な事件。連載開始1983年。

■へうげもの 1~8巻(連載中) 山田芳裕著、講談社
信長・秀吉に仕え、数寄を極めんと七転八倒する戦国武将&茶人、古田織部。極端にアクの強い絵柄が笑える。

■鬼龍院冴子探偵事務所 1~3巻(連載中) 三上龍哉著、小学館
美人女探偵のキレた暴走ぶりと、引きずり回されるイケメン高校生に爆笑。

■BLOODY MONDAY 1~10巻(連載中) 龍門 諒+恵 広史著、講談社
高校生の天才ハッカーが日本の諜報機関と共闘。二重、三重の罠が仕込まれたサスペンス・アクション。

■ディアスポリス 1~12巻-異邦警察-(連載中) すぎむらしんいち他著、講談社
東京の密入国者たちの秘密組織異邦都庁の警官が活躍。エログロの強烈な国内版『ゴルゴ13』。

■日本沈没 全15巻 小松左京原作、一色登希彦著、小学館
原作とはまったく異なる衝撃の未来。「このマンガは、映画も小説も完全に超えてます」(タケカワ氏)。

■築地魚河岸三代目 1~26巻(連載中) 大石賢一原案協力、はしもとみつお作画、小学館
妻の実家の名門仲卸業を継いだ元銀行員の悪戦苦闘。築地を舞台に魚介類の情報を満載したグルメマンガ。

■美味しんぼ 1~102巻(連載中) 雁屋 哲作 花咲アキラ画、小学館
累計売り上げ部数は1億冊超! グルメ漫画の定番。長きにわたり物語の軸だった父子の確執に昨年、終止符が。

■チェーザレ 1~6巻(連載中) 惣領冬実著、講談社
イタリア・ルネサンス期の英雄、チェーザレと貴族間の抗争を描く、華麗にして残酷な一大絵巻が展開される。

■ココナッツピリオド 1~2巻(連載中) 山田玲司著、小学館
地球温暖化の阻止法を発明したウサギの天才教授の下に、モテ願望の大学生が。環境問題のトピック記事が1話ごとに付くユニークなスタイルのマンガ。

(構成=大塚常好 撮影=若杉憲司 撮影協力=アジールエッセ浦和店)