首都圏の3国立大(千葉、埼玉、横浜国立)との比較ではどうか。

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図3 私立理工系

「銀行などの就職者数で比較するとGマーチクラスが上でした。国立大が劣るというより、公務員志望者が多いぶん、民間企業就職者数が少なかったということでしょう。教員や公務員は試験範囲が広く、受験科目が多かった国立大生が有利という事情もあります」(大学通信・安田氏)

OBの人脈でいうと、満遍なく熱心なのが明治・法政。立教は観光関連の学部・学科をいち早く立ち上げたこともあり、観光業界では結びつきが強い。中央大法学部は法曹関係で強固な人脈がある。一方、青山学院大は「OB会? あるんじゃないですか。一度も参加していませんけど」(青山学院大卒)という程度だった。

理科大・芝浦工大がマーチより上のことも

私立大の理工系大学・学部の中では東京理科大の評価が高い。

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図4 東京理科・国立理工系

「うちは留年率が高いことで有名。教授も容赦なく単位を落とします。一流と一留(1年の留年)をかけて『一留大学』と言うほど。そのぶんちゃんと勉強をしたと信用できるから採用しやすい、と人事から聞いたことがあります」(東京理科大卒)

意外にも上智大やマーチクラスの理工系学部と評価は互角。企業によっては東京理科大のほうを高く評価することもあるようだ。

「早慶はともかく、上智や青山学院などの理工系学部は文系学部のオマケという感がある。研究職・技術職として採用する場合は研究をしっかりやっている大学から、ということになる。東京理科大以外だと芝浦工業大、工学院大の評価も高い。日本大理工学部や東海大理工学部も偏差値のわりに研究がしっかりしていて評価できる」(メーカー人事)

国立地方大は研究分野によっては強い。しかし大学教員にとってみれば首都圏や都市部の大学に勤務したいという事情から、いい教員が地方国立大には集まりにくい。そうした事情も人脈の有無に影響しているようだ。