若者からすると、例えば特定の産業で時代の先端分野における決定に関与したい、そこで時代のスピード感に合わせて自分の能力を発揮したいということになると、伝統的な事業会社の終身雇用システムを一歩目から歩むという選択はできません。社長ですら変革を主導できないような保守性に絡め取られてしまうからです。反対に、外資コンサルに行けば、戦略立案や決定のプロセスに参加できるというわけです。
金融やITの場合はもっと明確な理由があります。まず、金融の場合は1990年代にバブル崩壊と金融危機を経験した日本の業界は、ひたすらリスクを回避する経営に徹してきました。企業風土がそうであるだけでなく、高齢者の個人金融資産そのものがリスクを選好しないので、ハイリスク・ハイリターンを好むマネーが日本では限られているのです。その結果として、最先端の金融工学を駆使したダイナミックな投資に関与したいのであれば、どうしても外資ということになります。M&Aや大規模な起債に関与する投資銀行なども同様です。
ITの場合はそれこそ、90年代以降、日本発のイノベーションは守旧派によって潰されてきました。ファイル交換のプログラムを作った技術者は死に追いやられ、ポータルを成功させて総合メディア企業を志向した起業家は投獄されました。携帯電話とネット閲覧を合体したスマホの先駆である事業を国際展開しようとした変革者は、リスクを嫌う上層部に切り捨てられました。
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当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら


