いつの間にか慢性高血圧に

漢方薬の原料である生薬のなかには、血圧を上昇させるものがいくつもあります。とりわけ、漢方薬の7割ほどに使われているという甘草かんぞうは、グリチルリチン(またはグリチルリチン酸)という含有成分の働きによって血圧を上げるため、長期にわたって服用していると、慢性的な高血圧を招くリスクがあります。

こうした生薬は、アドレナリンなどのホルモンのように交感神経の受容体に作用して血圧を上昇させるわけではありませんが、含まれている成分が間接的に作用して、慢性的に血圧を上げるものがいくつもあります。一時的に大量に服用すれば血圧上昇の症状が出ますが、通常の服用量では表れないので、長期間ずっと飲んでいると、少しずつ少しずつ血圧が上がっていって、いつの間にか慢性高血圧になっている場合があるのです。

さらに、高血圧に気づかないまま、ほかの病気にかかったり、治療を受けた結果、命にかかわるような深刻な事態を招いたりする危険もあります。