悪魔的なセールストーク
村西とおるは、自らを「論理の天才」と豪語する。相手が「高い」「二、三日考える」「いますぐ決められない」「必要性を感じない」など難色を示す。セールスにはよくあることだ。だが村西は動じない。「相手がどんな事言ったってギブアップしない」(前掲『ナイスですね』、75頁)。
そんなときのために村西が身につけ、駆使したのが「応酬話法」である。
相手が「高い」と言えば、「お客さま、高いとか安いとかは比較の問題でございます」と即答し、その場にあるものなどを適当に使って例を持ち出す。たとえば、訪問先にたまたまあった電話を使ってこんな話をする。この電話が100万円するとする。それだけ聞けば確かに「高い」となる。だが高度情報化社会になった日本において、電話は必需品。「電話1本遅れたために1億2億のビジネスが吹き飛ぶことだってあるんでございます」と言い放つ。そして、この英語のソノシート付きのエンサイクロペディアが果たして高いのか、いや決してそうではないという流れに持っていく。村西はこうした臨機応変な話法のパターンを何十も持っていて、それを駆使した(同書、75‐76頁)。
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