「核兵器のない世界」というファンタジー
さらにこの2009年の日米協議に関するメモが見過ごせないのは、日本政府を代表して出席したのが駐米公使の秋葉剛男だったことだ。
この場でのやり取りは「日米同盟の抑止力」を強化するという今の方針につながった。核兵器をはじめとする米国の軍事力と日本の通常兵器による防衛力の連携を深め、中国や北朝鮮の軍拡に対抗するという戦略だ。後に国家安全保障局長となる秋葉は政府の中枢でそれを推進した。
その意味でこのメモは、今の日本の安全保障政策の源流と言える。2021年には広島が地元の岸田文雄が「核兵器のない世界」を掲げて首相となるが、10年代の外相当時から外務省で秋葉に支えられ、秋葉を国家安保局長として起用し続けた岸田に、筆者は何の幻想も抱かなかった。
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