600円のウサギは現在の価値なら3000万円か

国税庁サイトにもこうある。

当時の巡査の初任給が4円程度だったのに対し、なかには1羽数百円もの高値で取引されるなど、商家の旦那衆だけでなく華族や士族、僧侶までが熱狂したのです。
当然、兎は投機の対象となり、兎で一攫千金を目論む者も現れます。そして、ブームの加熱は、普通の白い兎に色を塗った偽物を売る者が現れるなど社会問題化しました。東京府も「兎会」禁止に乗り出しますが、秘密会どころか堂々と「兎売捌所」(うさぎうりさばきじょ)の看板や幟を出す者もいる始末で、その取り締まりに苦慮しました。
(国税庁・税務大学校「税の歴史クイズ」牛米努研究調査員)

「ばけばけ」では司之介がひと月で200円も儲かったと喜んでいたが、巡査の初任給で換算して4円=現在の20万円とすれば、明治時代の1円は現在の5万円ほど。そのときの月収は約1000万円ということになる。そりゃ、「父上」も浮かれるわ……。司之介が稼げるときに稼ぐんだと、借金までして事業を拡大したのも理解できないでもない(ただし労働者の賃金と物価はイコールではないとも考えられ、現在の価値ではもっと少なくなる可能性もある)。

ウサギの価格上昇はすさまじかった。明治5年の「新聞雑誌」という新聞によれば、1匹の販売価格が50円(250万円)。白ウサギに黒毛の斑文をもつ「更紗さらさ模様」が大人気となり、その模様をもつ種付け用のオスウサギは200~300円(1000万~1500万円)で取引され、600円(3000万円)になったケースも。種付け料だけでも1回2~3円(10万~15万円)もした(赤田光男『ウサギの日本文化史』世界思想社)。