ロシア経済は本当に強いのか
ところで、ロシア経済の構造的な特徴をよく表す指標の一つに経常収支がある。世界有数の資源国であるロシアは、諸外国に石油やガスを輸出し、それで得た所得で石油やガス以外の消費財を輸入する経済である。ゆえにロシア経済の場合、経常収支の黒字が拡大すればその余力が増すが、一方で黒字が縮小すれば余力は失われることになる。
ロシアの経常収支は2024年4~6月期をピークに黒字が縮小に転じ、直近2025年4~6月期には名目GDPの2%程度となっている(図表2)。そして経常収支を民間収支と政府収支(財政収支)に分解すると、経常収支の黒字の縮小の主因が財政赤字の膨張だと分かる。ロシア経済全体の余剰資金は、財政赤字によって食い潰されているわけである。
名目GDPの2%程度という経常収支の黒字幅は、クリミア紛争後の経済・金融制裁などを受けてロシア経済が低迷していた2016~17年頃や、コロナショックを受けて景気が腰折れした20~21年頃の水準に等しい。これらの期間でも経常収支の黒字幅の縮小をもたらしたのは財政赤字だったが、それは不況に伴う財政の悪化を受けたものだった。
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