国内景気は相変わらずぱっとしないが、大企業を見ると儲かっているところも少なくない。しかも組織のスリム化を進めたために、現場の忙しさは増している。にもかかわらず、肝心の給料は急落した。日本のサラリーマンはみな、うつむき加減である。こんなことでいいのだろうか。働く者の待遇をもっとよくして、消費を盛り上げることのほうが、日本経済にとって大事ではないか。

私がそういう考えを持つようになったのは、上場企業各社の決算を調べていて、会社と従業員との“取り分”のアンバランスさに気がついたからだ。企業は従業員に配分すべきお金を、会社の資産として余分にため込んでいるのではないか、と考えたのだ。

そもそも企業は事業活動で得たお金をどうするか。たとえば、(1)給料やボーナスとして従業員に報いるか、(2)配当の形で株主に還元するか、(3)吐き出さずに会社内部にため込んでおくかの3パターンが考えられる。