妻はやなせに「私、駄目かもしれない」
やなせは手術を受けて入院中の暢に、医師の言葉として「悪いところは全部切りとったから大丈夫」と嘘を伝えたが、暢には通用しなかった。
「私、駄目かもしれない。覚悟はできているから本当のことを教えてね。整理しておかないと、あなたじゃ解らないから」
暢がそう言っても、やなせはやはり「すぐ退院できるよ」と伝えた。だが、やなせの絶望は深く、漫画家仲間の会で一言も発言せずにいたとき、異変に気付いて声を掛けてくれたのが、『アリエスの乙女たち』『天上の虹』などで知られる漫画家の里中満智子だった。
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