効率化を実現しつつも品質の高さもキープする改善

日本には魚食、生食の文化があり、消費者は生鮮品の鮮度には非常に敏感であった。そのため、日本のスーパーでは生鮮品の流通加工を店舗のバックヤードで処理して、かつ、その様子を「今切りました、今詰めました」と、来店客に見せることで、鮮度をアピールするインストア方式が主流になっている。スーパーの生鮮売場の壁面がガラス張りで作業場が見えるのは、これを見せるためである。

こうした労働集約的な手法が続けられたのは、デフレ時代は非正規の労働力を低コストで集めることができたからである。スーパーの労働分配率(付加価値に占める人件費の割合)は他の小売業に比べてもかなり高いのだが、これまではそれでもなんとかやってこれたのだ。しかし、人手不足時代の到来を予測していた大手スーパーは、並行して、この労働集約的体制から脱却する準備も進めていた。ITや保存技術の進歩や配送効率の改善によって、この構造を打破して生産性向上に取り組んでいたのだ。

ざっくり言えば、加工工程を細分化して最終工程以外を集中センターで処理し、最後は少ない工程のみを店舗バックヤードで完成させることで、大幅な効率化を実現しつつある。こうした改善の筆頭が、イオンでありヨークベニマル(セブン&アイ⇒ヨークHD)といった大手スーパーであり、中でも、地場独立系大手ヤオコーは、効率化を実施しつつ、品質でも最も消費者の評価が高いスーパーである。