逆転のアイデア「読みにくい名札」
この相談を受けた2017年当時、社会を大きく騒がせた事件がありました。行方不明の女児が、2年ぶりに発見されたというニュースです。登下校時に名札を見て名前を呼んだというその手口に、学校や保育園、保護者、地域の人が震撼しました。そもそも名札は、学業においてはもちろん、災害時にも役立ちます。しかし、登下校時に悪用されるのは避けたい。結果、全国で登下校のときだけ名札を裏返したり外したりするなどの指導がなされていました。この情報が頭にインプットされていたため、山川さんの話を聞くなかで、自ずとこんな質問が飛びだしていました。
「文字がくっきりはっきり見えるように彫れるんだったら、読みづらく彫ることもできますか?」
「……できるかもしれません、やったことはありませんが」
「知っていますか? 最近、全国の小学校では登下校では名札を外して、と指導されているんですよ」
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
