大企業の負担を抱えるのは中小企業と家計
円安は企業にとっては利益率を押し上げる追い風だが、家計には逆風となる。円安は食料やエネルギーなどの生活必需品の輸入価格を押し上げ、家計に実質賃金(購買力)の低下を招く。図表2に見るように、今回に限らず、円安が急進する局面では、企業の利益率と家計の実質賃金との間で二極化が進む傾向がある。企業が潤う一方で、家計が苦しむ構図が鮮明となっている。
不満の矛先は日銀に向かう可能性が高い。日銀は本来、賃金と物価の好循環(企業が賃上げを行い、それが消費を刺激する結果、物価が安定的に上昇すると見通せる状態)を確認した上で利上げを行うべきだが、国民の不満に押されて日銀が拙速に利上げに踏み切れば、景気や企業収益が悪化し、賃上げ機運も冷え込むだろう。
しかも、米国は利下げサイクルに入っており、米連邦準備制度理事会(FRB)は年内に2~3回の利下げを行うと予想されている。日本は利上げ、米国は利下げと、金融政策が逆行すれば、日米金利差は縮小し円高が進みやすくなる。円高が進めば、大企業はいよいよ値引き輸出の負担を中小・下請け企業に転嫁し、家計に影響が及ぶことになるだろう。
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