顔写真や勤務先を「晒す」

あなたにも非があるよ、あの行動はやり過ぎだよ、などの「指摘」「たしなめ」で止まっていれば、木村さんもここまで追い込まれることはなかったのかもしれない。だが、まるで親の仇のように、一部の人々がここぞとばかり木村さんを攻撃した。非難されるべきことをしたのだから叩くのは当然、といわんばかりの悪質な誹謗中傷であった。

こんな事例もある。2020年4月、新型コロナが本格的に蔓延していったときのこと。都内在住の女性が、コロナに罹患しているにもかかわらず、高速バスに乗って山梨県に移動していたことを同県が発表した。当時は不要不急の外出や、県をまたいだ移動の自粛要請が出ていた時期でもある。そこに加え、正体不明のウイルスを人に感染させかねない行動が、非難されても仕方ないことは理解できる。

しかし、女性に対して行われたのは、非難や批判を超えた誹謗中傷や、個人情報の「晒し」だった。ネット上には、彼女の名前や顔写真、さらには勤務先も出回った(勤務先とされた企業は否定している)。