中国人観光客の目的は「旅して遊ぶ」

一方、日本において娯楽的な旅行の概念が広まったのは、江戸時代にさかのぼる。それまでの旅は、武士による参勤交代や宗教的な巡礼といった公的な性格が強かったが、江戸時代の安定した社会情勢や経済発展などを背景に、娯楽的な旅行が市井に広まっていく。この時期に登場した「物見遊山」や「道中」、「名所巡り」といった言葉は、その旅の文化を表現するものとなった。

こうして徳川幕府の時代に広まった観光旅行の文化は、次第に日本独自のツーリズム文化として定着したとされている。言うまでもなく、お伊勢参りなどに代表される日本の「観光」には、文化に対する敬意や学びの姿勢が根底にあることが前提となっている。

中国における「旅游」の概念は、あくまで「旅して遊ぶ」ことのみを目的としており、「他国の文化を学ぶ」といった謙虚な姿勢とは異なる。