カードの番号が不正利用され、大事な口座のお金が第三者のために引き落とされてしまうなど耐え難いからだ。もしや本当にカードが使われたのではと、そのままリンクをクリックし、パスワードを入力し――という行動をとってしまうと、相手の思うつぼだ。
さらに、一歩進んで積極的にお金を節約したい人が目を止めるような手口もある。先日、「サブスクリプション料金の改定について」というメールが届いた。12月某日にサブスク料金を値上げするが、解約しない限りは自動更新となりますという。で、解約及び詳細の確認はこちらへ――とリンクに誘導されるわけだ。
自分はそのサービスに加入した記憶はないため詐欺メールだろうと判断したが、「固定費を1円でも節約したい」人なら、つい騙されてしまいそうな巧妙な手口だろう。今年中に使っていないサブスク料金を解約し、お金を浮かせたいと考えるのは正しいけれど、くれぐれもその心理を利用されないように注意したい。
ポイ活好きに注意してほしい「もらえます」偽メール
先に書いた通り、これまでのフィッシングは「不正な取引があり、口座を凍結します」等の脅し型がメインだったが、その手口が周知されたせいか、最近はプレゼント型が目立つようになってきた。
目にする件名は「会員様限定 5000円プレゼントキャンペーン」、「年末の大感謝企画」「ログインするだけで300ポイント進呈、いますぐアカウントの確認を」といったものだ。ポイントに興味がある人なら、思わず目を止めてしまいそうだ。メール内のリンクをクリックさせ、IDやパスワードを入力させる手口だろう。脅しはスルー出来ても、ポイントをプレゼントと聞くと、まさか詐欺メールだとは考えない。そういうキャンペーンが世の中にごっそりあふれているからだ。
北風と太陽の逸話ではないが、脅しを続けても、相手は思うような行動を起こさないこともある。それよりも、これはあなたが得する話ですよ、と言われれば振り向いてしまう。ポイ活が浸透し、より効率的にポイントを稼ぎたいと考える人が多くなっているからこそ、この手口が増えているのだろう。
これがフィッシングメールではなく正規のキャンペーン企画であっても、応募のために自分のアカウントや情報を提供している点は変わりない。何かを得るためには、何らかの対価を払っていることは忘れずにいたい。うまい話はどこにもないということに。