成績がイマイチでも、就職への影響は小さい

しかも日本人にとっては幸いなことに、いまの日本の大学受験ではペーパーテスト不要のAO入試や一芸入試のような新しい選抜方法もあります。

そして一度入学してしまえば、たいして勉強しなくても卒業できるのが日本の大学の「よさ」でもあります。

ひろゆき『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』(Gakken)

日本の大学生の中退率は年間たったの2%くらいだそうです。しかもそのうち学力不振が原因で退学した人は7%ほど。ほかの大学に転籍するとか、やる気がなくなって欠席しまくり単位落としまくりとか、就職や起業をしたとか、経済的に厳しくなったといった理由がなければ、ほぼだれでも学士の資格はとれます。

さらに、日本企業は採用時に学生の人柄や適性を重視するため、成績を一切見ない会社がほとんど。最近は成績を見る会社も少しずつ増えているようですが、主流にはなっていません。

ちなみにアメリカの会社に若手が就職するときは、GPA(成績平均)は最優先項目ではないものの、足切りの材料などで使われます。

「学士」はラクして取れるコスパ最強の資格

ちなみに、関係者から聞いた話ではありますが、日本の大学としては欧米の大学のようにやる気のない学生をどんどん振るい落としたいそうですが、それをすると文科省から「成績が悪いのはお前らの教育が悪いせいだろ!」と文句を言われるので、泣く泣く卒業させているということもあるようです。

「仕事の能力がないのは、お前らの会社の教育が悪いせいだろ!」と怒られる解雇規制とまったく同じ理屈です。

なので、日本の大学のゆるさは当面、変わりそうにありません。

そう考えると、日本の学士(大学卒業資格)は、いまの日本でもっともコスパのいい資格ですよね。

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