「大学不要論」を鵜呑みにしてはいけない
「日本の大学に行ったところでどうせ勉強しないんだから時間と金のムダ」
「大学に行かなくても社会的・経済的に成功する方法なんていくらでもある」
「社会人として成功するスキルは大学では教えてくれない」
最近、こういった意見を耳にします。これを真に受けると危険です。
こういう意見を声高に語る人に限って、めちゃくちゃ優秀で、道なき道をゴリゴリ切り開けるサバイバル能力マックスの人だったりします。つまり、「学歴」というものに一切頼らなくても、自分の能力やスキルでお金を稼げる人たちです。
でも、残念ながら世の中のほとんどの人は、僕を含めて凡人です。そんなすごい能力を持ち合わせていません。
そんな普通の若者が「大学なんてムダだ」という言葉を信じて大学にいかないとどうなるか? 就きたい職業が見つかって採用面接に行くと、「ああ、高卒ですか」と一蹴される可能性が高いわけです。
学歴フィルターはいまだに残っている
かつてソニーは採用プロセスにエントリーシートを導入し、出身大学を一切不問としました。その取り組みを他社も積極的に真似するようになったことで、まるで日本では「学歴社会なんて過去のことでしょ」といった印象を受ける人もいるかもしれません。
学歴に頼らない生き方が選択肢として増えたのは事実です。でも、学歴社会自体がなくなったわけではありません。
そもそも公務員だってそうですよね。公務員のなかでもハイキャリアの国家公務員総合職を目指す場合、「大卒」以上の学歴が必要です。
大卒資格と高卒資格の待遇差(初任給の違いなど)も歴然としてありますし、社会全体もそれが悪だと思っていないので(社会人でも大学に行ける時代なので)、しばらくは是正される可能性は低いんじゃないでしょうか。