なぜクローゼットが溢れた家にお金は貯まらないのか

(4)あちこちから出てくるものが“ない”

お金が貯まらない家のクローゼットは、服のすき間から、スカーフやベルトが出てくるといったことがしょっちゅう。

また、ハンガーが足りなかったからなのか、一本のハンガーに何枚もの服をかけてあることも多く、服の下から長年探していた小物が発掘されるのもよくあること。

同じような服を買ってしまうのは、このせいで下に隠れた服のことを忘れてしまうということもあります。

(5)しわくちゃの服が“ない”

お金が貯まる家のクローゼットは、服が整然としていて、余白があります。そのため服のしわがなく、クリーニングされたままの状態でぴしっとかけられています。

一方、お金が貯まらない家のクローゼットは、ギュウギュウに服が詰まっているので、スカートの裾がよれていたり、ズボンがしわしわになっていたりと、とにかく服がしわくちゃ。

筆者提供
余白があれば、服にしわがつくこともなく余計な手間も増えない。スカートならスカート、シャツならシャツとアイテム別に分けてかけることで、「丈」が揃い、収納ボックスをおくなど、省スペースを生かした収納も叶う。

アイロンが面倒で着る機会が減ったり、いざ着るときもアイロンに時間も手間もとられたり、いろいろと無駄が生まれます。こういう「無駄」を避けない姿勢が、お金が貯まらない家をつくっていきます。

【西崎さんポイント】
お金が貯まらない家には、着ない服、同じような服、使いこなせていない収納グッズなど、とにかく無駄が多い。それにより不要な手間も生まれ、効率がダウンする。無駄を避けよう、なくそうとする姿勢が全くないことが、無駄買いにつながり、お金の貯まらない家をつくっていく。つまり無駄をなくすだけで、自然とお金は貯まっていく。事実、お金の貯まる家は、クローゼットの管理ができていることからも見えるように、無駄なものは買わずに済んでいる。

お金が貯まる「クローゼット」をつくる3つのステップ

では金持ちクローゼットは、どうやってつくればよいのでしょうか。3ステップで紹介します。

ステップ1:今年着たものと着なかったものを分ける

まずは、今年着たものと着なかったものを分けましょう。そのうえで、着なかった服は「なぜ着なかったのか?」、その理由を明確にします。

この夏だけでも、4カ月×30日=約120日は選択されるチャンスがあったにもかかわらず、一回も選ばれなかった服には理由があります。例えば以下のようなものです。

「気候に合わない服」
昔に比べて最近はゴールデンウィーク明けから、いきなり夏日になり、暑さもどんどん厳しくなっています。そういった気候変動によって、着られなくなる服が出てきました。
「何となく着にくい(微妙な)服」
首まわりが開きすぎている、素材がチクチクする、トレンドとずれている……、なんとなくずっと着ない服には、自分にとって「微妙な要素」が隠れています。
「思い入れがある服」
母親や姉妹などの家族や友人にもらった、自分のご褒美に奮発して買った、やせたら着ようと買った……など。そういった思い入れのあるものも、なかなか捨てられません。