ひきこもっていた期間と同じくらい時間がかかる

私は39年の経験、のべ1万人を立ち直らせてきた実績がありますから、この状況ならこの方法が適切だ、というのがわかります。

もっとも、何か一つの法則があるわけではありません。100人いれば100通りのやり方があるということなのです。

親の年収や住んでいる場所、成育歴など、詳細がわからなければ、こうしたほうがいい、とは言えません。

39年の活動中には、自殺や父親殺しに至ったケースもありました。そうしたつらい経験をしているからこそ、そうなる前になるべく早く手を打つ必要があると確信しているのです。

ひきこもりから脱するには、ひきこもっていた期間と同じくらいの期間が必要です。

高濱正伸、杉浦孝宣『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』(実務教育出版)

先ほどのC君も完全にひきこもってから8カ月経った時点で家庭訪問支援を始めましたが、教室に初めて登校できるまでに、やはり8カ月かかっています。

なるべく早く子どもを立ち直らせたいのなら、今すぐ相談して家庭訪問支援を始めることです。

それをしないで「見守りましょう」とずるずるしていると、3年から5年くらい、あっという間に過ぎていきます。

長期化すればするほど、立ち直らせるのに時間がかかりますし、難しくなります。だからこそ、初動が肝心なのです。

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