団信のがん保障の保険料は10分の1以下

一般団信にがん団信を付加した場合、金利が0.1%程度上乗せされることが多いです。この0.1%を毎月返済額に換算すると約1500円です。

次に、1500円と同水準の保険料を支払うがん保険では、どの程度の保険金を得られるかを調べてみました。すると、月額保険料1500円で保険金はたったの100万円しかありませんでした。

つまり、がん団信が平均1750万円の保障であるのと比べると、同程度の保険料を取るがん保険の保障は10分の1にも満たず、これではまったく勝負になりません。

先ほどの説明で、「なぜ、団信はこんなにお得なの?」と疑問に思ったかもしれません。

その答えを端的に説明すると、「団信の構造上、保険会社が支払う保険金が少なくて済むから」です。団信は住宅ローンを借りるときにしか加入できず、健康懸念がほぼない若い方が数多く加入します。みなさんの周りをみても20代や30代で家を買っている方がたくさんいらっしゃいませんか?

団信の保険料が有利な理由とは

また、住宅ローン審査では返済能力調査が行われますので、定年間近の年齢になると審査が厳しくなって借りられない人も一定数いるため、年代が高い方の割合が減ります。加えて、生命保険会社が行う加入審査もあるため、もし健康上の問題を抱えていたら、そもそも団信に加入することができません。

最後に、定年までに完済しようと考えている人が一定数いるため、年齢を重ねるほど繰上返済する人が増えて住宅ローンの元本がどんどん減っていきます。ゆえに、死亡率や罹患率の高い60代以降の人に対する保険金支払いはそれほど多くはないと聞きます。

一方で、一般的な保険商品の場合、「親族にがん患者が多い」や「高齢で病気の罹患率が高い」といったように、健康不安を抱えている人ほど保険に加入しがちであり、保険会社は保険料を多く取らざるを得ない事情があります。でも団信の場合、健康不安のある方が団信に入りたいがためにわざわざ住宅ローンを借りるなんてことは考えにくいですよね。