年内の政策金利は0.25%が金融市場の想定

変動型から固定型への借り換えを考える上で、最も重要なのは、今後、変動金利はどこまで上がるのか、という点に尽きる。そこで、まずは、現在の金融市場がどのような想定をしているかをみてみよう。

東京金融取引所で取引されている「無担保コールオーバーナイト3カ月金利先物」(TONA3カ月金利先物)は、短期金融市場の相場観が反映されている。実際に取引がある3カ月金利先物をグラフ化してみると、24年9月物は0.197%、12月物は0.288%となっている。

細かい解説は省くが、これは、10月の金融政策決定会合で、日銀は政策金利である「無担保コール翌日物金利」を、現状のゼロ金利政策とされる0~0.1%程度から「0.25%程度」に引き上げると、多くの市場関係者が想定していることを示している。

仮に、この想定どおりになると、銀行は短期プライムレート(以下、短プラ)を0.25%引き上げることになり、短プラに連動する変動金利も0.25%上昇するだろう。現在、借りている変動金利が0.3%だとすれば、0.55%になる計算だ。

25年10月に0.25%の追加利上げの可能性

もう一度グラフに戻ろう。25年9月物は0.458%となっている。これは、25年10月の会合で、日銀は0.25%の追加利上げを行い、政策金利を0.5%にすることを想定している。したがって、銀行は再び短プラを0.25%引き上げるので、変動金利も0.25%上昇するとみられる。

もちろん、このTONA3カ月金利先物は“想定レート”に過ぎない。しかし、いわゆる専門家と呼ばれる人たちが予想するものとは違って、実際に、このレートに基づいた取引が行われている。予想が当たれば利益が発生し、外れれば損失を被る。その分、マーケットのコンセンサスを映し出しているといえよう。

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