「覚えているうちに繰り返すこと」に意味がある
しかし、それは大きな間違いでした。
じつは、「覚えているうちに繰り返すこと」にこそ意味があったのです。
忘れてから繰り返そうとすると、思い出すまでに時間がかかったり、問題が解けないことにイライラしたりするでしょう。
でも、覚えていれば、すぐに思い出せますし、早く解くこともできます。
「エビングハウスの忘却曲線」(図表1)をご覧ください。
図表1を見ていただくとわかると思いますが、人は1日たつと半分以上のことを忘れてしまいます。しかし、その事実を多くの中学生は知りません。
だから、自分は記憶力がないと思い込んでしまうのです。
当時の私も、そう思っていました。
でも、それは間違いです。
「長期的な記憶」を蓄積する勉強法
私がお勧めする勉強法は、次の①〜③です。
①まず、その日の授業内容を寝るまでの間に、もう一度、すべて解き直す
②3日〜6日以内に、もう一度、解き直す
③そして1週間〜10日の間に、さらにもう一度、解き直す
この①〜③で一番大切なのは、①です。
どんなに忙しくても、①だけは忘れずに行ってくださいね。
それが、最小の努力で最大の結果を生む勉強法です。
とはいえ、ときには疲れている日もあることでしょう。
そんなときは、授業の内容のノートやプリントを見返すだけでもかまいません。
それなら、数分で終わりますよね。
なお、解き直す際の優先順位は、英語や数学などの理解が必要な教科となります。
英語や数学は積み上げの教科のため、定着しないまま次に進んでいくと、つまずきの原因となるからです。
また、塾の授業がない日には、習った範囲まで、学校のワークを解いてみてください。
それは、早めに定期テストの範囲の学校のワークを仕上げることにもなります。何より、理解している状態から、知識や理解の「定着」にまでつながるでしょう。
やがて、それは「長期的な記憶」として蓄積されていきます。
また、もし塾に通っていない場合は、学校の授業で解いた問題の解き直しでかまいません。
その日のうちに、もう一度、解き直してみてください。ちなみに、私と同じ中学校で、同じ部活に入り、同じ塾に通っていた同級生2人は、最終的に私よりいい成績をとり、偏差値70以上の高校に進学しました。
もう、おわかりですよね。
その2人は、「その日のうちに繰り返す」ことができていたのです。