「お金は好きだが、お金持ちは嫌い」

『朝鮮日報』が2011年に連載したシリーズコラム「2011韓国人よ幸せになれ」の5回目(2011年1月7日)を見ると、韓国人のお金に対する歪みがわかります。

該当企画の諮問委員会に参加した海外の専門家たちは、韓国人を「お金が好きでありながら、お金持ちは嫌いだという、富に対して二重の態度を持っている」と分析した、とのことです。財閥は嫌いだけど財閥企業に入りたい、という認識に似ています。

アンケート調査の結果、韓国人は93%が「お金が幸せに必要だ」と思っていることが明らかになったにもかかわらず、その理屈に則れば“幸せになっているはず”であろうお金持ちに対しては、「親のおかげだ」、「なにか不正をやった結果だ」としか見ていないそうです。

これは、専門家たちには興味深い結果だったようで、先ほどのエド・ディナー教授も参加し、彼はこう話しました。

「韓国人は、社会構成員たちと自分を絶えずに比較し、勝つことが幸せになる道だと信じている」
「しかし、いつも勝者になることはできない。他人と物質的な面だけ比べ続けても、幸せを感じられなくなるだけだ」

日本人は「家族と子供」、韓国人は「お金」

個人的によく引用するデータですが、ピュー・リサーチ・センターが各国で調査して2021年11月18日に公開した「人生に意味を与えてくれるのは何か(What makes life meaningful)」というレポートを見てみると(英語題で検索すると、ネットで普通に読めます)、いくつかの項目のうち、人生に意味を与えるものとして「お金」が1位になっている国は韓国だけでした。

日本およびほとんどの国は、「家族と子供」と答えています。特に面白い点は、複数回答が可能なのに、日本と韓国では「ひとつだけ」を選ぶ人が多く、ピュー・リサーチ・センターはこの点もピックアップしていました。見方にもよりますが、これは「これだけあればいい」とする認識が強いということでしょう。

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日本では「家族と子供」、韓国では「お金」への思い入れが非常に強い。最近は人種差別的な側面から、「○○人は~」という話は、たとえジョークでも避けられる傾向がありますが、この点においては、各分野の学者たちが、なんの迷いもなく「韓国人は物質主義への執着が強すぎる」と口を揃えます。