手数料で銀行や保険会社が儲かるだけ
変額保険の場合、銀行や保険会社が高額な手数料で儲かる仕組みになっている。そのため、金融機関は変額保険を積極的に勧めてくる。筆者の個人的意見としては、もし今でも変額保険に入っている人がいるなら、損切り覚悟で早めに解約したほうがいい。
とりわけ日本人は保険が大好きで、いくつも掛け持ちしていることが多い。しかし、そもそも民間保険サービスは、支払った額のほとんどが保険会社の利益や外交員の給与になっているのが実態だ。普通に考えれば、保険料として支払う分のお金を自ら貯めておいたほうがいい。筆者は保険には入らず、手元で貯蓄している。
変額保険に入る理由を「定期預金などに入れてもほぼ利子がつかないから……」という人もいるだろう。だが、保険料の何割かを手数料として支払うような商品なら、少なくとも手数料分はほぼ返ってこないと思ったほうがいいだろう。
老後に備えるなら「国民年金基金」
どうしても保険に入らざるを得ない場合は、貯蓄型ではなく、医療保険のような、補償を限定して掛け捨てにする商品のほうがましだ。なぜなら、保障を得るという保険本来の目的をきちんと果たしているからだ。
老後に備えたいというのなら、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして加入できる「国民年金基金」に加入するのがお勧めだ。国が運営しているから民間の商品よりも安心だし、手数料もかからない。
またiDeCoなら、掛け金が全額所得控除の対象になったり、運用益が非課税になったり、公的年金や退職所得が控除されたりと、税制上の優遇をいくつか受けられる。
将来に不安がある人は、不動産投資や事業投資に手を出す場合もあるだろう。しかし、そうしたものは難しい部分もあるから、素人がヘタに手を出さないほうがいい。老後に予備知識なしでいきなり始めると損をしてしまう可能性が高い。