「静かな時間」が子どもの考える力を伸ばす
外向性が高いことによる優位性が注目されがちですが、外向性が低いことによる利点も多くあります。低外向性の子どもは(特に情動性が高くない場合)、あまり手がかかりません。
他人のプライバシーを尊重する傾向があり(つまり、あなたも一人の時間を持てるかもしれませんね!)、学校では、それほど人にまとわりつかず、過度に騒いだりしません。
流行や仲間に影響されにくく、自分なりの視点や考えを持とうとします。物事を深く考えてから決断し、行動に移す傾向があります。
物理学者のアルバート・アインシュタイン博士は内向的な性格の持ち主として有名で、「静かな生活の単調さと孤独が創造的な精神を刺激する」と述べているほどです。
内向的な人は創造的で、思慮深く、より意識的であることが多いようです。人と深くつながることを好み、量より質を重視します。また、プライベートを大切にする傾向があるため、自立心が旺盛です。
疲れやすく、繊細な一面も
内向的な子どもは、新しいことに挑戦させるのには説得が必要なことが多いようです。自分の居心地のよい場所を好むので、初対面の人や初めて行く場所では疲れてしまいます。
そのため、少し背中を押されないと、未知の世界を探検したり、知らない人に会ったりしたがりません。社会的な場面は彼らにとってストレスになりがちです。
情動性が高い場合、苦手な状況に置かれると、かんしゃくを起こしたり暴れたりすることがあります。
他人と接することで消耗するので、活動後に多くの休息時間を必要とします。十分に休息できないとイライラしたり機嫌を損ねたりします。
低外向性の子どもは、物静かであるために見過ごされる危険もあります。外向的な子どものように注目されることもなく、発言することもあまりありません。
親や先生との関わりも少ないので、「大人をあまり必要としていない子」という印象を与えてしまうこともあるでしょう。そのため大人から必要な配慮を受けられないことがあるのです。
また、自立心が旺盛で自分で考えることができるため、周囲の影響を受けにくく、仲間からのプレッシャーに強い反面、指示に素直に従えないという欠点もあります。自分の考えに満足し、返答に時間がかかるため、頑固に見られやすいでしょう。
発言や即断を迫られたりするとストレスを感じたり固まってしまったりすることもあるため、外向的な子どもに比べて意固地で、要領が悪いと誤解されることもあります。
さらに、自分は他の子どもたちのように好感を持たれるのだろうか、頭がいいのだろうか、それとも何か問題があるのだろうか、といった疑問を持つようになることもあります。