「理解」した上で「演習」を積むというプロセスを

親御さんへのアドバイス

塾に入ると、テキストや宿題が配られ、授業が始まりますが「勉強の仕方」「ノートの取り方」といった勉強の根幹となる部分は教えてもらえません。

つまり、子どもたちは勉強の仕方を知らないままに、受験勉強に突入するのです。

よって、正しい勉強の仕方を教えてあげる必要があります。

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勉強には「知識を入れる」と「考えて理解する」の2通りがあり、算数は基本的に「考えて理解する」科目です。

もちろん、計算ルールや九九、円周率など覚えるものもありますが、それらはツール。算数はそれらのツールを使って、より複雑な問題を考えて解くことになります。

では、算数はどのように取り組めば良いでしょうか。算数で大切なのは、「理解」した上で「演習」を積むというプロセスです。

「理解」をすっ飛ばして宿題を何巡もすると、子どもは解き方を暗記してしまいます。

そして怖いのが、5年生の夏前頃までは、暗記でもそれなりに点数が取れてしまうという点です。

「理解」できているか否かは、考え方を子どもに口で説明させる

しかし、次第に暗記型勉強では太刀打ちできなくなってきます。その理由は2つ。

● 暗記でしのげるほど単純な内容ではなくなる

→学年が進むにつれて「割合」「速さ」といった抽象概念を扱うため、根本理解が必要となる。他分野も思考の階層が深まり、手順が複雑化して覚えきれなくなる。

● 何巡もする余裕がなくなる

→4年生で扱う「量」と「難度」を1とすると、5年生はその2倍、6年生はさらに2倍となり、何巡もする時間的余裕がなくなる。

宿題を何巡もすることが悪いわけではなく、その前に「理解」を経ないことが問題なのです。

「理解」できているか否かは、考え方を子どもに口で説明させることで判断がつきます。

このとき、「子ども自身の言葉で説明できているか」がポイント。説明がたどたどしい、適切な算数用語が出てこないのが、小学生らしい説明です。エクセレントな解説は「解説そのものを暗記している」可能性もあります。

その場合は、その解説にもっと突っこんだ質問をしてみてください。それでも説明ができるか否かが見極めのポイントです。