歯みがき剤の成分「トラネキサム酸」に注目
ドラッグストアのオーラルケア売り場に行くと、たくさんの歯みがき剤(歯磨剤)が並んでいます。歯ブラシ同様、どんなものを選べばよいのか困ってしまいますね。
配合されている有効成分で選ぶというのも1つの方法です。歯周病に効くといわれている成分には次のようなものがあります。
「トラネキサム酸」は、出血を抑える抗炎症成分で、抗炎症作用があります。歯肉炎の段階であれば改善する可能性があります。
他には、抗炎症作用がある「グリチルリチン酸」という成分もあります。
また「酢酸トコフェロール(ビタミンE)」という成分も、血行を促進し、歯肉を活性化する作用が期待できます。歯肉が出血するのは傷ができているわけですが、その傷を治すために血行を促進させるのです。
「イソプロピルメチルフェノール」(IPMP)は、殺菌作用のある成分です。どんなに完璧にケアしたと思っていても、プラークの取り残しは絶対にあるもの。そうした取り残しの歯周病菌を減らす効果が期待できるかもしれません。
歯みがき剤は量よりも使い方が大事
使ってみて、よいと思ったらその歯みがき剤を継続して使うのはよいのですが、問題は歯みがき剤の使い方です。
歯みがき剤には発砲剤(泡の出る成分)が含まれているので、1分ぐらい磨いていると口の中が気持ちよくなってきます。その気持ちよさにだまされないでほしいのです。
自分ではスッキリしたと思っていても、実際は口の中がネバネバしているということがあります。ネバネバの正体はプラークなのですが、その段階でオーラルケアを終了してしまえば、歯周病予防にはなりません。
ですから、歯みがき剤はあまり付けすぎずに使うのがコツ。歯科衛生士も、歯みがき剤はあまりつけないでみがきましょうと、アドバイスすると思います。意見が1つではありませんが、小豆大くらいの量でよいのではないかと思っています。
いずれにしても、オーラルケアで大事なのは、プラークを取ること。歯みがき剤は補助的なものだと思ってください。
いくら歯周病によい成分が入っているからといっても、それに頼ってケアをおろそかにすれば、歯周病予防にはなりません。