動物が苦手な人がペット可の物件に住んでいるワケ
「ペット可のマンションのため、エレベーターで大型犬を連れた人と乗り合わせたときには譲り合ったり、お互いのペットを撫でて挨拶するようなことが日常的にあります。
ところが、中には明らかに動物が嫌いそうな方もいて……。ある高齢の女性は、エレベーターに動物が乗っていたり、ロビーで犬を連れている人を見ると、怪訝な顔をして、手でシッシッとアピールするタイプ。『犬連れているならエレベーターじゃなく階段を使いなさいよ!』と叱責されたというご近所さんもいます。
犬って不思議と自分に対して敵意のある人間には敏感なんですよね。この女性が大型犬を連れた人とエレベーターで乗り合わせたときに激しく吠えられて、さらには前足でとびかかるような形で接触してしまった。
女性は転倒してしまい、幸い、尻もちをついた程度で大きなケガはなかったものの、『訴えてやる!』と激怒していたようです」
結局管理会社が間に入って、この“転倒”トラブルは示談で収まることに。
「当時は、『ペットが嫌いなら引っ越せばいいのに』と思っていましたが、どうやらこの女性はもともとマンションが建っている場所に家があったらしく、立ち退く代わりにひと部屋所有することになったとのこと。そうしたやむを得ない事情があって、動物が苦手なのに、ペット可の物件に住んでいたそうです。そう考えると、少し気の毒な気もしますね」
旅行に行く友だちから「飼い猫を預かって」と言われ…
続いてはこちらもペット可のマンションに住んでいた藤井菜穂さん(仮名・30代)の体験談。
「私が住んでいたのは12階建てのマンションの8階。ペット可物件ですが、何も飼っておらず、パートナーと2人で住んでいました。ある時、旅行に行く友だちから『飼い猫を預かってほしい』と言われ、1週間だけ部屋で飼うことに。まだ1歳くらいの子猫で、いつもケージの隅で大人しく丸まっていたから油断しちゃったんですね。部屋の窓を開けたままにしていたら、いつのまにかケージを飛び出してバルコニーに出てしまったんです。
捕まえようと近づくと、さらに怯えて柵のスキマから隣の部屋のバルコニーに大脱走。こちらのバルコニーからエサやオモチャで気を引いてみたけど、子猫はぜんぜん帰ってきませんでした。
子猫に向かって大声で呼びかけたり、掃除用具など長い棒状のものを伸ばして気を引こうと悪戦苦闘していたら、とつぜんカーテンが開いて、在宅していたお隣さんとバッチリ目が合って。不審者だと思われたようで、とても驚かせてしまって……」